失敗から学ぶ

小さな試作品は、ようやくサーフボードらしい形になってきました。しかし、平面的な原型から滑らかな立体の曲面を作り出すことは、まったく別の難題でした。答えが見つからない中、私は思い切って一つの方法を試します。そして、その失敗から大切なことを学ぶことになりました。

試作品の成形に使ってみた研磨ディスク
段ボールを組み合わせてサーフボードの骨組みとなるコアを作り、それをボードの形に切り出す。

この試みは、格子状の空間に軽量粘土を詰めるというアイデアによって、ようやく実現へ近づきつつありました。

私は早速、購入してきた軽量粘土を、格子の一つひとつに丁寧に詰めていきました。

試作用の小さなコアであるにもかかわらず、それは想像以上に根気のいる作業でした。

それでも、ようやくすべての空間を埋め終えると、風通しのよい場所に立てかけ、十分に乾燥させることにしました。

数日後、完全に乾いていることを確認してから、段ボール専用のカッターナイフを使って切り始めました。

時間をかけながら、何とかサーフボードらしい形に切り出すことができました。

しかし、ここで新たな問題が見つかりました。

格子を斜めに切ると、詰め込んだ粘土がポロリと剥がれ落ちてしまうのです。

剥がれた粘土を接着剤で元の場所へ戻しては、再び切る。

そんな作業を何度も繰り返しました。

いくつもの小さなトラブルに対処しながら、ようやくすべてを切り終え、私はサーフボードの外形を持つ原型を手にすることができました。

しかし、本当の問題はここからでした。

この平面的な原型から、サーフボード特有の立体的な形を作り出さなければなりません。

縦方向にも、横方向にも、そして斜め方向にも、滑らかな曲面を生み出す必要がありました。

「それを、どのようにして作ればよいのだろう。」

「どんな道具を、どのように使えばよいのだろう。」

それは、私にとってまったく未知の分野でした。

図書館で本を探し、インターネットでも調べました。

しかし、いくら検索しても、私が求めている答えを見つけることはできませんでした。

それも、そのはずです。

このようなことをしているのは、世界で私一人だけだったのかもしれないのです。

そう考えた私は、思い切って、家にあったディスクグラインダーを使って曲面を削り出してみることにしました。

今から思えば、素材の性質も道具の力も十分に理解しないまま行った、危険な試みでした。

グラインダーの電源コードをコンセントにつなぎ、スイッチを入れました。

「さあ、やってやるぞ。」

ブーンという大きなうなり音とともに、高速で回転する砥石がサーフボードのコアに触れました。

次の瞬間、

「バッ!」

という大きな音がして、さまざまなものが周囲へ飛び散りました。

そして、白い煙のような粉じんが作業場を覆いました。

何が起きたのか、すぐには理解できませんでした。

私はまず落ち着こうとし、自分の体にケガがないかを確認しました。

幸い、ケガはありませんでした。

それから、あらためて周囲を見渡しました。

そこには、あれほど苦労して作った小さなサーフボードの原型が、見るも無残な姿になっていました。

多くの時間と労力をかけて詰め込んだ軽量粘土は吹き飛び、段ボールの骨組みも引きちぎられていました。

私は、しばらくその場に立ち尽くしていました。

しかし、このまま落ち込んでいるだけでは何も始まりません。

私は、なぜこのようなことが起きたのかを考えました。

そして、軽量粘土には格子へ強く固定されるだけの接着力がなかったこと、さらに、ディスクグラインダーや電動カンナのような電動工具を使うと、その強い力と振動によって、弱い部分から破壊が広がってしまうことに気づきました。

こうして私は、身をもって一つの原則を学びました。

「このコアからサーフボードの曲面を作り出すためには、電動工具に頼らず、手で少しずつ作業することが前提になる。」

失敗によって、進むべき方向が一つ見えてきました。

しかし、同時に新たな課題も生まれました。

手で作業するとすれば、いったいどのような道具を使えばよいのだろうか。


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